【ラノベ】 シゴフミ -Stories of Last Letter- (2) [シゴフミ]
小説『シゴフミ』の第2巻を読んだので感想を書きます。
前回、第1巻の感想を書いたときに「ネタバレは極力しない」というようなことを書きましたが
やっぱりネタバレ上等でいきますのでご了承ください。
「ネタバレとかありえないだろ、jk・・・」
と思った方は、お手数ですが
ブラウザの右上にある”閉じるボタン[×]”か
左上にある”戻るボタン[←]”をクリックしてください。
第1話 ☆ 英雄になる瞬間
消防士見習いの進がシゴフミを情報源にして、ピンチな人を救うお話。
1回目の救出は進のまっすぐなやる気が伝わってきて感動しました。
絶対的な閉鎖空間で覚醒する血の滾り。
そして、自分の命を犠牲にして妹を救った男の子もすごかったです。
そんな進に対して、フミカさんは「シゴフミは出世の道具じゃない」と言い放ちます。
有頂天になっていた進への戒めなのか。
それとも、フミカさんのシゴフミに対する尊厳なのか。
3回目の出動で進を選んだ学さん。
いざこざがあったにもかかわらず、仕事の上では私情をはさまない”大人な切り替え”が格好良かったです。
命が事切れる直前にフミカさんに対して思った怨み。
そして、自分はヒーローでもなんでもなく、
死が恐ろしい無様な凡人だと悟ってしまいます。
確かにでしゃばってはいましたが・・・。
進の前から立ち去るフミカさんの後姿が寂しすぎる。
第2話 ☆ 青い空、白い猫。
猫がシゴフミの差出人。
でも、マヤマはマジックアイテムなので猫とお喋りができました。
このお話のポイントは、序盤の虫を怖がるフミカさんでしょう。
嫌々ながら、虫から逃れるためにマヤマをおだてる様子が可愛かったです。
あと、虫に尻込みするところも。
マヤマは単純なのですぐに乗り気になってしまいます。
さらに猫との知恵比べに負けてしまうマヤマ。
シゴフミを届け終えた後、マヤマは規則を破って死者と生者を会わせてしまいます。
でも、こみ上げてくるのは、再会の喜びをはるかに上回る悲しみ。
一回会えたという喜びよりも、
もう二度と会えないという悲しみの方が強い。
一回会えたという刹那的な喜びは、確かに即物的で幸せなようですが、
それが諸刃の剣だったことをマヤマは悟ります。
私が同じ立場だったら断りきれるだろうか・・・。
第3話 ☆ キューピッド
愛さんが可哀想すぎるだろ・・・なお話。
愛さんは恋のキューピッド役という立ち位置で、
女友達に好きな人ができると告白の場をセッティングしてあげていました。
でも、友人の好きな人が自分の好きな人でもある。
その友人はもう死んでしまっている。
最初は自分がその男の子のことを好きだとも自覚していなかったのに
自覚してからは友人を押しのけるような猛アタック。
しかし、そこに愛さんの居場所はなかった。
最後に選んだ愛さんの気持ち。
それは自分が身を引くこと。
弓道場で泣いている愛さんが悲しすぎました。
途中で、学校のみんなが志望した生徒に対して黙祷するシーンがありました。
でも愛さんは黙祷する気になれません。
黙祷は死を認めることになるから。
死んだその日に黙祷するとは早すぎる、とのこと。
その気持ち、分かるような気がします。
人が死んで。
それを認めて。
やがて記憶が風化して。
人が1人いなくなった世界で
変わらないものもあれば
変わるものもある。
フミカさんが配達人をしている目的。
それはフミカさんが持つ漆黒のシゴフミを届けることらしい。
アニメ版では拳銃だったので、この辺も小説版と違いますね。
シゴフミ 2―Stories of Last Letter (2) (電撃文庫 あ 17-6)
- 作者: 雨宮 諒
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/03
- メディア: 文庫
◆ kaz777 さん
◇ niceありがとうございます
by Lunamaria (2008-07-03 20:38)