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【ラノベ】 学校の階段 (1) [学校の階段]

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ファミ通文庫『学校の階段 (1)』を購入して読了したので感想など。

今年の1月の初詣で専門学校時代の友人のBくんに会ったときに
この本を勧められて気になっていたのですが、他に色々読んでいたら
こんなに時間が経ってからの読書になってしまいました。

Bくんはフルメタを勧めてくれた、ある意味ラノベの師匠とも呼べる人ですが
その人がお勧めに選ぶだけあって面白かったです。

この本もそうですが、ラノベって1巻目に巻数が書いていないことがありますよね。
後書きによると続編が出るのか現時点では不明と書いているので、それなら仕方ないのですが
作家として、読み切りとして書くのか連載ものとして続くのか、最初から決まっていないと
ストーリー構成とか考えるのが大変じゃないかと思いますけど。

買う方としても、1巻限りの読みきり小説なのか
今後、続巻するのか背表紙やタイトルにナンバリングがされていないので
判断に迷いますし。

さて、この本のお話ですが。
普通なら”学校の怪談”とするところを”学校の階段”としてあります。

それもそのはず。
階段部の話だからです。

階段部とは。
とある高校にある部活なのですが、活動内容は学校の階段や廊下で徒競走をすること。
陸上部のようにストップウォッチ片手にレースのタイムを測定しています。

誰でも知っていることですが、廊下を走ってはいけません。
先生に怒られますし、他の生徒にぶつかったら危ないです。

階段部のメンバーは走りたいから走っている。
でも、それは校則違反。
やってはいけないことが活動内容なのにもかかわらず
部員は誇りと熱意を持っているという、どこか矛盾したシチュエーションです。

主人公は1年生で新入生で新入部員の幸宏くん。
ひょんなことから階段部の活動に魅せられてしまい、入部してしまいました。
思春期って感じの男の子です。

同じく1年生の井筒くん。
部長の九重さんに惚れているらしい。
ラストのレース中にゴミ清掃を手伝ったのは良かったです。

2年生の三枝くん。
彼は校内の廊下や階段の地理を熟知しており、コース取りでアドバンテージを得ます。

同じく2年生の天ヶ崎さん。
清楚なお嬢様のようですが、お茶目で面倒見のいい部分もあります。
幸宏くんがスカートのことかと勘違いしたときの微笑が可愛かったです。
正直、この人が階段部にいる理由が一番分からない。

3年生で部長の九重さん。
チンマリしていますが、実力はトップレベル。
ショートヘアとミニスカートで活動的なイメージですね。
いつも幸宏くんのお弁当をネタにからかってします。
ケラケラ笑ったりキーキー騒いだりしているシーンが可愛いです。

同じく3年生で副部長の刈谷くん。
元は階段部を目の敵にしている生徒会のメンバーだったようですが、過去は謎に包まれています。
階段部が部としての体裁を守っていられるのも、この人の求心力と統率力の賜物じゃないかと思います。
運動面でも精神面でも頼りになります。

幸宏くんは4人姉妹の従兄弟と住んでいます。
その家族と階段部のことで諍(いさかい)いがあるのですが、そこも見所の一つですね。

でも、このときばかりは主人公の幸宏くんの方が悪いと思いました。
せっかく心配してくれているのに、話もせずにキレて飛び出してしまうなんて。
幸宏くんは流されるだけの気弱な少年っていうわけではないですけど
なんか等身大の少年って感じで青臭いところもありますね。

美冬さんが泣いたシーンは、本を読んでいる私の目と手が静止するほどショッキングでした。
まさか心のうちがそんなことになっていただなんて。
一瞬だけ見せた笑顔が可愛かったです。

つか、口数少ないのは分かりますが、出てくる言葉が罵倒だけっていうのは
”無口”だけでは説明がつかないような・・・。

全編を通して、読んでて思ったのは
「なんでこの人たちはこんなにも走りに情熱を傾けているのか」
ということです。
最後まで分かりませんでしたし、幸宏くんがなぜ入部を決意したのかも分かりません。

なぜだか分からないが走りたくてしょうがないらしいです。
「考えるな、感じろ」ということでしょうかね。
理由や想いが全て言語化か出来るとは限りませんし。

この作品が、コレを書いている作者の処女作だそうですが
初めてとは思えないほどしっかりした作りだと思います。

話も面白いですし、ファクターのアイデアも面白いですが
とにかくキャラがイキイキとしているのが良いですね。
登場人物がみんな、魅力的です。

この小説ってジャンルは何なんでしょうね。
コメディでもなければ恋愛でもないし。
SFでもなければファンタジーでもないし。
もしかして、スポ魂なのかなぁ・・・。

そういや、ファミ通文庫のラノベ買うの初めてだ・・・。

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学校の階段 (ファミ通文庫)

学校の階段 (ファミ通文庫)

  • 作者: 櫂末 高彰
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 文庫



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コメント 2

takao

『学校の階段』懐かしいですね。私は4巻くらいまでは読んで、5巻の途中で止まってしまいました。「これ、階段部とあんまり関係なくない?」みたいな感じになって。4巻まで読んだ感じでは、1巻と3巻が良くて、2巻と4巻はイマイチかなぁ、という感じでした。とりあえず、最終10巻まで買っているのでいつか読みたいなぁ、と思っているのですが、私はそんなのばっかりなのでいつになるか分かりませんw

各キャラについては、2巻以降で説明があったと思いますよ。面白いと感じたのなら、2巻以降も読んでみられて良いかと。

>この小説ってジャンルは何なんでしょうね。

たしかに。学園モノか、部活動モノ、って感じかなぁ?と思ってしまいますが。スポ根が正解かも知れませんね。
by takao (2009-09-18 21:55) 

Lunamaria

◆ takao さん
◇ nice & コメントありがとうございます

> 私はそんなのばっかりなのでいつになるか分かりませんw

本編のほかに外伝で1冊出ているみたいですね。
先に全巻買って揃えちゃうと、私も積み本になりそうだなぁ。

> 学園モノか、部活動モノ、って感じかなぁ?と思ってしまいますが。

もう少しコメディの要素も取り入れてくれると、より私の好みに近づくんですけど・・・。
キャラが皆しっかりしているので、どうとでも料理できそうな気がします。
 
by Lunamaria (2009-09-19 19:26) 

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