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【雑記】 『西遊記 (1)』文春文庫 [読書]

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今までサワリだけ知っていましたが、全体を読んだことがなかったので
『西遊記』の文庫本を買って読んでみました。

うーん。
かなり面白いです。

アニメやゲームといった最近のエンターテイメントに慣れている私でも
活字だけでここまで“娯楽”を感じさせてくれたのは意外でした。

物語も良く出来ていますし、キャラ立ちもしっかりしています。
妖怪との戦闘シーンはありますし、旅・冒険といったアドベンチャー要素もあります。

物心ついたくらいの子供さんが読んでもいいかもしれませんね。

仏教がベースになっていて、むやみな殺生はイケナイとか人助けをすべきとか
道徳的なことも書かれていますし、悟空の奮迅果敢ぶりは読んでいてワクワクします。

また、人間関係もリアリズムがあります。

1巻の最後には悟空、八戒、悟浄が揃うのですが
それぞれ個性が強いので三蔵は気遣いして疲れてしまいます。

TVゲームのRPGでも仲間を集めて旅をすることがありますが
よくよく考えてみたらすんなり打ち解けて気持ちがまとまる方が難しいのではないかと。

特に印象に残ったのは
・山神様との別れ
・やむなく輪っかを付ける
・お師匠様と呼べない
あたりですかね。

山神様との別れのとき、悟空がサバサバしていたのに
実はホロリと泣いているシーンは感動しました。

悟空はヤンチャで短期ですが、心が澄んでいるというか本当は素直な子です。
三蔵が泣く泣く、かの有名な輪っかを悟空の頭にハメるのですが
悟空は裏切られた気分になります。

それから三蔵は自分の身の上を話し、二人は打ち解けます。
「さっきの呪文を唱えてもいいよ」
と言った悟空に、またも感動しました。

なかなかお師匠様と呼ぶことが出来ず
ぶっきらぼうで不器用だけど、いいヤツなんです。

お師匠様と呼ぶようになってから、さらに距離が縮まったように思えます。
三蔵が捕まったときに危険を顧みず
「みえなくなってもいいよ」
と、そんな言葉を迷いもなくポンッと出せる悟空に好感が持てます。


西遊記〈1〉 (文春文庫)

西遊記〈1〉 (文春文庫)

  • 作者: 平岩 弓枝
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 文庫



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