【ラノベ】 しにがみのバラッド。 (5) [しにがみのバラッド。]
電撃文庫『しにがみのバラッド。 (5)』を読了したので感想など。
文学少女と空飛ぶデッキブラシに乗る少年のお話。
この話は魔法が出てきて、その魔法が使える人が出てくるので
少々ファンタジーですね。
でもまぁ、ヒロインのモモさん自体が死神なのですでにファンタジーですが。
栞さんが桜の木の下で桜介が魔法を使っているシーンを
目撃してしまうところから話は始まります。
その後、栞さんと桜介の交流が始まっていくのですが
桜介が栞さんをからかうシーンが楽しいですね。
> 「ほえぇ~~~~~~っ!?」
> 思わず変な悲鳴を上げてしまった。
栞さんは天然というか、挙動が可愛らしいというか。
最後は気になる先輩、桜介が責任取ってくれるとこまで漕ぎ付けました。
栞さんを助けるために魔法を使って。
それ以降は魔法を使えなくなって。
でもあの一瞬だけでも
大切な人を守れたのだから
価値があったんじゃないかと思います。
久々にIDカードを取り出すときのコントがありました。
悶えるダニエル。
手を突っ込むときに嫌そうな顔のモモさん。
モモさんカワユスw
ネコのアポロと、飼い主の幼稚園児のお話。
アポロは賢いネコなのにどこか間が抜けていて面白いですね。
起き抜けに紙を踏んで足を滑らせてぬいぐるみの中に突っ込むシーンは
なかなか可愛らしかったです。
レンさんは、目の前で母親が事故で死んでしまい
その記憶を自分の中に封じ込めて、今まで無理して生きてきました。
父親は頼りないながらも、娘のことを一心に考えていました。
でも、ヒロムのとった選択肢は正しかったのか。
誰にも答えることはできないと思います。
人間はその時その時で最善を尽くすだけ。
常に正解を出そうなんてことはおこがましいと思います。
アポロがモモさんに抱きかかえられているときの
ダニエルの嫉妬が面白かったですね。
しかみ、最後に抱きしめてあげるって言われたのに強がって断ってるし。
> これから大雨のように足もとが見えないこともあるだろう。
> でも、くじけずに、迷わずに、彼女を受け止めよう。
ヒロムが自分の中にハッキリと見出したものは。
ひたむきで不器用で
優しくて一生懸命な
娘を想う気持ちでした。
レンさんは母親を亡くしてしまいましたが
頼りないのに安心できる、このお父さんがいれば大丈夫でしょう。
アポロもいますし。
超能力者で殺し屋の少年のお話。
この巻は魔法だの超能力が出てきて
いつものありきたりな日常の”現実の範囲”から外れているような気がします。
触れた相手を念力で殺す能力者アリス。
遠隔操作で狭い範囲に力場を発生させる能力者チセ。
そして、触れた相手を風化させてしまう能力者リュウ。
三人はある組織に所属し、超能力を使って殺しをするチームでした。
アリスはそんな自分の境遇を、人間ではなく人形だと揶揄します。
ですが、チーム員同士でじゃれ合う、慎ましやかな”団欒”がありました。
そんな小さな幸せも、あるとき壊されてしまいます。
チセさんの死。
リュウの裏切り。
そして、アリスは独りになりました。
ひたすらに死を願うアリスですが
モモさんはそんなアリスに死を与えることはしませんでした。
おませで勝気なチセさんが可愛かったです。
アリスからもらったアクセを何気に身に付けていますし。
超能力者なのに、一般人の拳銃で簡単にやられちゃうなんて呆気ないですね・・・。
アリスが思ったよりチセさんの死に対して感情を激発させていたのが意外であり
痛々しかったです。
死ななければ解放されないなんて・・・。
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