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【雑記】 文春文庫『西遊記 (2)』 [読書]

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文春文庫『西遊記 (2)』を購入して読了したので感想など。

1巻を読んでみて、面白かったのですが
このまま旅というネタで4巻まで続くのかと少し心配でしたが
強力な妖怪は出てくるわ、人助けはするわ、三蔵一行が仲間割れするわで
目が離せない展開です。

と言いつつも、観音菩薩様の助けを借りたり、天界の神々に助けを乞うたり
というパターンが増えてきたのが、ちょっといただけない。

それと、悟空と八戒・沙悟浄の戦闘能力に開きがあるので(悟空が強すぎる)
八戒・沙悟浄は足手まといになってしまって見せ場が無いのもバランス悪いです。
少年漫画では主人公ばかり強くなって、仲間はついていけなくなることが多いですが・・・。

三蔵一行の行く手には妖怪が出てきて、三蔵法師を食べようとするのですが
基本的に妖怪は、動物が化けたモノです。
たまに天界の住人が堕ちて妖怪化することもありますが。

さらに、妖怪が結婚して子供も産みます。
ファンタジーというよりは、なんか動物の延長みたいな感じです。

この巻ではかの有名な金角と銀角が出てきます。
例の名前を呼ばれて返事をすると吸い込まれてしまう瓢箪も出てきます。

悟空が別人に化けて、なおかつ偽名を名乗って近づくシーンがあるのですが
悟空は真の名前ではなく偽の名前を呼ばれます。

そのとき、悟空は「偽の名前なんだから返事しても発動しないだろう」と
たかをくくっていたのですが、なんと返事をしたら吸い込まれたのです。

能力発動のトリガーは本名じゃなくてもいいのか。
どういう基準なのか。

しかも、金銀コンビは宝物として芭蕉扇も持っていました。
これまた有名なアイテムですね。

そして、これまでで最強の敵。
これまた西遊記で有名な牛魔王。
その息子が火炎使いの妖怪として登場します。

それまでの悟空は、ほとんど負けナシで大抵の妖怪に腕っぷしで勝っていましたが
そいつと戦った時は、ガチのタイマンでも負けてしまい、九死に一生を得ました。

その前の風使いもヤバかったですけど。
結局は、風使いを倒したときと同様、天上の菩薩様の強力な法力で何とかなりましたが。

2巻の一番の見どころは、破門事件だと思います。

「それが終わったら、まっすぐここに帰ってきて」
「山神の爺さんに、ちゃんとやって来たよって」

「俺は行くよ」
「必ずお師匠様を救い出す」
「お師匠様が俺を許さなくても」
「俺はお師匠様の後をどこまでもついて行く」

山神の爺さん、死んでしまってさぞ悲しかったことでしょう。
山のてっぺんで安らかに爺さんに語りかけるシーンは良かった。

そして、三蔵のピンチを知るやいなや。
改めて決心した悟空。

悟空の心根に、真心に、意志の爽やかさに
心を打たれました。

滅多に使わない輪っかの締め付けですが
今回の破門事件のときに、三蔵は珍しく使いました。

本当はこらしめるために呪文を唱えるのですが
逆に唱えた本人が悟空に対して悪びれて謝ってしまう顛末。

三蔵はお人好しなので、罰を与えるのにはむかないんじゃないかと思いますが
しつけをするためには心を鬼にしなければならないんでしょうね。

「人は弱い」
「弱いゆえに罪を犯す」
「大切なのは悔悟し乗り越えていく強さ」

しつけの大切さ。
罪を償うことの大切さ。
西遊記ではそういった道徳的なこともメッセージに含まれているような気がします。


西遊記〈2〉 (文春文庫)

西遊記〈2〉 (文春文庫)

  • 作者: 平岩 弓枝
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 文庫



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