【ラノベ】 なれる！ＳＥ (3) 失敗しない？提案活動 {電撃文庫}

ライトノベル
『なれる！ＳＥ (3) 失敗しない？提案活動 {電撃文庫}』
を購入して読了したので感想など。

今回の最大の見どころは、個人的には工兵くんの変態行為ですね。
カモメさんがいないのをいいことに席に座ったり引き出しを開けたり。
なんという変態素質でしょうか。
そのうちクンカもやりかねない・・・。

カモメさんも大したもので、ちゃんとトラップを仕掛けていました。
工兵くんは何とかごまかし・・・、きれたのか。

工兵くんはまだカモメさん一筋なんですね。
てっきり飲み会の件で苦手意識が芽生えたのかと・・・。

今回の話は、なんと提案書を書くこと。
いままでも、ＳＥといいつつネットワークだったりと
ホントにＳＥの小説かよ？！と思いましたが、
今回は開発畑をも通り越して営業の仕事です・・・。

どんだけ迷走してるのかと。
作者は他に書くことがないのか。
先行き不安です。

そして、クライマックスの展開もかなり強引です。
企業ごとに便宜を図らないと一貫しておきながら
ヒントを出してますし、挙句の果てには実装も終わってる。

そんな無茶苦茶な提案は見たことがないですね。

ライトノベルなのである程度のエンターテイメント性が
必要なのは分かりますが、この壮大さに対して対峙するのに
かなりの設定的な無理をしています。

等身大のＳＥを描くなら、社内だけでも完結できるでしょうに。
そして、そこでもエンターテイメント性は打ち出せるでしょうに。

立華さんと梢さん。
二人の力がガッチリかみ合ったら、その実力は４乗どころか
さらに上を行きそうです。

提案に苦戦する工兵くんの前に
ＦＲＰとＦＲＩの話が出てきます。

工兵くんは反撃の糸口に、この業界ではしばしば用いられる手法「裏の要件」を
引き出そうとしますが、それもＦＲＰの前では無力です。
ＦＲＰとＦＲＩの良いトコどりを提案しますが、それも今さら不可能な話。

私が勤務している会社ではＦＲＩが主流ですね。
むしろＦＲＰにしてくれないかと思います。

顧客と生でやり合うと「言った言わない」「どこまでが契約か」といった
トラブルに発展しますからね。

最終的には「お客様優位」なのでこっちが折れることになるのですが
最初から書面で交わしているのと、後出しで強引にされるのでは
現場の開発者にかかるストレスが違います。

でも、ベタでやることによって、顧客との間の親密度が上がり
いわゆる「お得意様」にできる一面もあります。

そうすれば、他企業はおいそれと介入してこないので安泰・・・、と言いたいところですが
人員はアサインしないといけないし、おいそれと価格を釣り上げることはできないし
上手くペイするような仕組みを考えないと、「相手にとって有利」な状況が生まれてしまいますけどね。

そうなったら最後。
こちらが搾取される側になります。
とても断れる状況にはありません。
目の上のタンコブ状態です。

なれる！SE3 失敗しない？提案活動 (電撃文庫)

• 作者: 夏海 公司
• 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
• 発売日: 2011/01/06
• メディア: 文庫

コメント 2

なんか、早くもカモメさんの存在感が薄れているというか、裏番ちっくになってきた気がします。

言った言わないは確かに多いですよね。
この業界、最後は「客」の意向が一番強くなるという…。
by ひだひだ (2011-04-24 23:24) 

◆ ひだひだ さん
◇ nice & コメントありがとうございます

＞ 裏番ちっくになってきた気がします。

カモメさんは万能すぎてジョーカーキャラなので、あまり表立つと
なんでもこなしちゃってお話にならないような・・・。

＞ この業界、最後は「客」の意向が一番強くなるという…。

それは確かにありますね。
もう少しこちら側の発言権が欲しい、ということで契約書を盾にするのが良いかと。
　
by Lunamaria (2011-04-25 01:29)